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『ホシは知らない。』

『こばと。』二次小説up。原作設定。

去年からずっと引っ張ってたのがやっと書き上がりました~。
いやむしろ、途中まで書き上がってたから、リハビリにはちょうど良くて有難かったです。
思えば去年は一作しか上げていないという衝撃の事実…!
今年はもうちょっと書けるといいな。
もう一本書きかけのがあるし。

ついでに読書。
最近『氷菓(古典部シリーズ)/米澤穂信』のコミカライズ(/タスクオーナ)を手にしまして、読みました。
原作は読んでないので分からないのですが、ストーリーはもろ好み…!でした。
えるたそ可愛ェ。
あと、ほーたろーくんの省エネ主義には、全く同意することばかりでして(苦笑)
もうちょっと腕が楽になった暁には、是非原作も読んでみようと今から目論んでいます。
アニメも見たいな!
楽しみー(´∀`)

さて、本文は追記からどうぞー。




 『ホシは知らない。』



 やっとうるさいのが消えた。
 浮かんで、藤本は動転した。
『ひょっとして邪魔しちゃったかな』
 ひょっとして少なからず――その言葉どおりに感じていた自分がいたことに、思い至ったからだ。
 昨日はわからなかったものが、今日はこんなにもたやすく形を得てゆく。急速過ぎて頭の方がついていかない。けれど繋がる神経は正直なもので、手も足も視線も、全部が勝手にベクトルを定めた。こういうのは理屈ではないとよく言うが、違う。もうこれが理屈なのだ、むしろ。
 じ、と藤本は見つめた。ここまで自分を走らせた犯人を。さすがに先刻のように、衝動的に抱き締めたりはしなかったが。
「……藤本さん?」
 彼女――小鳩はゆっくりと控えめに、首を傾げた。ひどく顔色が白く思えて、藤本はぎょっとする。いつからこんな顔をしていたのか。さっきまではこんなではなかった。沖浦のやつらがいなくなって気が抜けたのか。常識とか身の危険とかほったらかしで、わけのわからない度胸で危なっかしいことばかりして……るようには見えるが、やはり、何もそれがまったく平気なことでもなかったのか。ああそうだ。ただの怖いもの知らず、というわけでもないのだこいつは。怖くても迷っても、目を反らせないことには向かっていってしまう性分なだけで。ああいいや、そんな分析より……
 休ませなくてはと、藤本は眉間を歪めた。
「こっちこい」
 呟いて、細い手首を引っ張る。「え。……え?」と、小鳩が小さく声を漏らした。こんなふうにするのはそう言えば、初めてではない。公園のベンチへと彼女を引きずる間に湧き上がった記憶に、藤本はだんだんと体温が上がってゆく気がした。いやそこだけ平熱ではありえない汗をかいてゆくのだから、もう間違いはない。比例して、勇み足になった。
「座れ」
 辿り着く頃には限界を超えた気恥ずかしさに、すぐ手を離す。
「え、あの……?」
 戸惑いを隠せない様子で、小鳩はまだ立ったまま、恐る恐るこちらを見上げた。
「ど、どうしてですか?」
 真っ直ぐな問いに藤本は詰まる。が、短く「顔色が悪いからだ」と答えた。きょとんとした小鳩の、白かった頬に仄かな朱が通うのが見えた。
「……ありがとうございます」
 微笑まれ、藤本の手のひらに、彼女の残滓が滲み上がる。
「~~~~いいからとっとと座れ」
 押し潰したくなくて、指を握り込めなかった。



 体のけだるさに小鳩は少し息をついた。砂時計の砂が零れるように、全身から何かが抜けてゆく。あぁもう――わずかなのだ。手元の籠に入った、優しいお供の彼は何も言わないけれど。自分がいちばん解っていた。彼の与り知らぬことも、また。
 木陰のベンチは、風がそよいで心地良い。自分をここへ座らせた人を、小鳩は見上げた。
「藤本さんは座らないんですか?」
「いや、俺は」
「藤本さんも座ってください」
 どうしてか、ちょっと強引に言ってしまった。困惑顔をした藤本は、少し躊躇ってから隣に腰かける。態度はふてぶてしいのに、ずいぶんと気を遣った柔らかな動作で。
「あ。保育園、戻らないといけませんね」
「ばか言え。おまえはアパートだ」
「ええ?」
「んな顔色して手伝いに来て、倒れられる方が迷惑だろが」
「た、倒れたりしません。元気ですよ?」
「元気なやつはそんな白い顔してねぇ」
「でも清花さんに……」
 自分で呟いたその名が、小鳩の胸に刺さる。「……俺が伝える」と、横で強張った気配に、痛みは深くもう一押しされた。途端、そら寒く詰まった息が苦しくて、小鳩は俯いてしまう。握り締めた手のひらに残るのは、何をしても『誰か』を守ろうとしていた『沖浦さん』の気持ちだ。あんなふうに読み取ったわけではないけれど――それはとても、『藤本さん』に似ている気がした。どちらも優しいのに、さびしくて、かなしい。
「おい? ほんとに大丈夫か?」
 降ってきた声に顔を上げると、心配そうに寄せられた眉間が視線の先にぶつかる。知らず鏡に映したように、小鳩もそっくりに眉根を寄せた。どうしていつも、この人のこんな顔しか見られないのだろう。自分は。この人がほんとうにほんの時々、『清花さん』に向ける笑顔はあんなに素敵なのに。あんなふうに、もっと笑っていてほしいと思うのに。
「にゃっ!?」
 思考は途切れていないのに、唐突に目の前が暗くなる。吃驚して、小鳩は妙な声を上げてしまった。ふわりと、なんだかあたたかい。
「ふ、藤本さん?」
「……つめたすぎだろおまえ」
 前髪ごと額を覆われて、ついでに両目も塞がれてしまったのだと気づく。
 だからあたたかいのは、藤本の手だった。



 「……つめたすぎだろおまえ」と、咄嗟に呟けたのは良かった。勝手に動くこの手をどうしたものか。けれど思い詰めた瞳から涙が零れる気がして、嫌だったのだ。しょうがない。昨日の今日だ。
 実際、冷たすぎた額の温度に救われた。と言うのも変だが、言い訳としてはぎりぎり真っ当だ。いいや苦しいだろそれ、なんて本音は、括弧で挟んで心の隅に追いやる。しかし藤本は大概、自分が真っ当な心理状況にないことだけは認めざるをえなかった。
 手のひらから小鳩に、体温ごと自分を奪われてゆくようだ。それが心地良い。もう裏を取るまでもない。むしろすっかり持って行かれてしまいたいのだ自分は。――こいつに。
 触れた手の下で、小鳩が身じろぐ。「そう……ですか?」と、擦れた前髪がこそばゆかったが、藤本は何とか平静を装った。
「そうだ。自覚ないのか?」
「……すこぅし、目がふわふわチカチカするかな、とは」
「それだそれ」
 言っている自分の方が、本当はよっぽどふわふわチカチカしている。
 もう手を離さなくてはと思うのに、離せば彼女がこちらを見るのだろうと思えば、また悩ましかった。何の変哲もないような会話で、藤本は時を稼ぐ。頭の中は、次に取るべき行動を超スピードで考えていた。そうだ、と閃いた。
 自分が見なければいいのだ。
 至極当たり前だ。
「藤本さん?」
 手を離す勢いに任せて目線を外しつつ、藤本は立ち上がった。ただし知らずうっかり、反対の手で再び小鳩の手首を捉えて。
「アパート帰るぞ。ここにいても冷えるばっかみてぇだし」
 裏腹にさっきから熱くなるばかりの自分は砂埃に撒いて、口早に連ねる。喉がカラカラだ。
 予想通り小鳩の視線が、間もなく藤本に刺さってきた。まるで背中が針山にでもなった気分だ。見るな見るなと、相手でなく自分に、藤本は繰り返した。振り向いたら駄目だ本当に。心臓がもつ気もしないし、きっとまた何かやらかしてしまう。心にもあることを。
「藤本さんあの……」
「なんだ」
「その……手、を」
 軽やかな風に乗って、そんな指摘が飛んでくる。
「あ、」
 しまった既にやらかしていたと、藤本は慌てて五指を剥がした。それなのにすぐ、掴み返される。え、と息を呑んだ。
 柔らかく小さな感触が、手のひらに収まっている。気のせいでなければ、手を……繋がれている。
「……こうでも、いいですか?」
 あんまり儚くて振り向きたくなるような、そんな声で訊かないでほしい。人の気も知らないで。
 けれど自分も、彼女の気持ちなんて知らず――知らぬまま。
 好きにしろと、握り返した。






 fin.


<後書き>
彼女は(※彼も)大変なものを盗んでゆきました――ってことで、ホシ=犯人のことです。
お話は6巻54P「ちゃんと送ってあげた?」「え まあ――」の件からの妄想。
兄さんあれ、マジ顔赤らめすぎだと思って、一体アパート送るまでに何があったの!?と、もー前から気になって気になって…!←
そしてこのお話の場合、一番の被害者はいお様だなと、心からそう思います(笑)
(あ、冒頭にある通り、都合上、堂元さんには早めにご退場いただいた設定となっております。てへペロ☆)
小鳩さんが体調悪そうなのは一応、『水晶さんから天使の力を借りたから』+『水晶さんが止めていた時が動き出してしまったから』と仮定してます。
6巻60Pの小鳩さんがあまりに眠そうで、まるで消耗しきっているように見えたもので……天使の力を借りるのは実は結構大変なんじゃないかなぁ?とか。
それに時が動けばもちろん、元が病弱だという体に負担もかかっちゃうんじゃないかな、とか。
しかし真面目に書きますと、やはりこの辺りの一連の流れは切ないものです(´・ω・`)
そんなだからきっといお様も、ここはしょうがねぇと目を瞑って、甘い現場を凌いだのでしょうなぁ…。

COMMENT

バカ藤本ギャップ★

そーですよねー。
この辺りは、ほんっと切ないですよねー、マジに考えると。
(それに反比例するように、藤本さんの行動はおかしくなるのですけれど(笑))
ここまで、完全にすれ違うって言うのもなかなかお目にかかれない★
この後、自分の命を投げ出してしまう小鳩ちゃんですが、もし、もしも。
もしも、藤本さんが欲しかったのはそれじゃなかったって知ったら、こばとちゃんはどうしただろうなぁ…と思わざるを得ないですよね。
もっと違う形を取るような気もするんですよね。

しっかし、こんなにも切ない時間なのに、ほんとーにこのバカ藤本は何をやってんでしょうねってくらい、バカだな(笑)!!

右に同じく。

先ずは、お見舞い申し上げます。
なんだかいろいろ大変だったんですね; 快復しつつあるとのこと、良かったですけれど、どうかお大事になさってください。
この時季ですし。
この時季、ですし。
(大事だから二度言ってみる。東の方は飛散量が多いと聞いていますから。西は…少ないとは言ってましたが、あまり実感はないです。つか、毎年どうだとか覚えてないですよ、不快なのは一緒だから。ヒトの記憶はわりと本当に当てにならないですし←そういうような本を最近読んだ)←五月さんも花粉症


さて↑タイトルどおり、私も、

> 一体アパート送るまでに何があった

と思っておりました!
形にしてくださって、ありがとうございます!!
いやー、可愛らしい。
私の妄想より、断然可愛らしい…。
さすがです!
私に掛かると、ただ兄さんがぐるぐるしているだけに終わりますからね(笑)。←酷い
これでド正解ですよ!(拍手)

前に自分ちでもちょこっと触れたことがありますが、本当にこの間は、喜劇的でもあり、悲劇的でもあり、各人の視点で考えると、せつないという言葉では手に余るほどに複雑な感情になります、私。
そして細細ネタにしたくなります(笑)。←それはオマエだけ

あ、ご負担になるのでレス不要です。
どうぞご自愛ください 五月

Re: バカ藤本ギャップ★

▽ツンデレラさま
遅くなりましてorz
コメありがとうございます!

ほんと、もしもちゃんとお互いが分かっていたら、どうだったでしょうね原作は。
4巻でうしゃぎさんが季節あと2つって言ってましたし、時が動き出したと言ってもあの時点でもう少し猶予はあったのかもしれません。
――から、もうちょっと粘る選択肢はあったかもしれませんね?やっぱり。
兄さんに全部バレちゃって、お互いの気持ちも確認できてれば。
そういうのも見てみたかったなぁと私も思います。
まあそうならないところに、コメで五月さんが書いてらしたような、喜劇的であり悲劇的であり…という物語の面白さがあるしなぁと思うと、また難しいんですけどね(´・ω・`)

てか原作で、もしも瓶にコンペイトウ全部集まってたらどうなったのかなぁ。
さすがにそれでも結果が違わないってこたないと思うんですが…気になりますよね~。
でも兄さんは変わらず空回って面白いんだろうなぁ…(苦笑)

Re: 右に同じく。

▽五月生さま
[壁]_・)チラッ…
お気遣い有難う御座います!
まあそう言わず…と粗茶を押し付けておきます。←

> 一体アパート送るまでに何があった

にご賛同いただけて大変うれしいです!
ですよね~思いましたよね~(嬉々)
清花先生のあの笑顔の返しの裏にもきっと

(まあ珍しい。え、何どうしたの何があったの何したの?すごく訊きたいけど今そういう雰囲気じゃないわよね…)

なんてモノローグがあったに違いないと信じてやみませんw
そして清花先生は大人なので、そういう心理があの会話へと変化球みたいなw

五月さんのネタもいつか是非見たいものです[壁]_・)チラチラチラッ

え、兄さんがぐるぐる?
バッチコーイ!ですよ!(笑)

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