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⊿delta

Author:⊿delta
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『春の閑(しづか)』

『こばと。』二次小説up。

最近には珍しく小説二連投。
元々、兄さんの誕生日用に描いてた絵から書いてみました。
ま、あんま誕生日っぽくないなと、誕生日用としてはすぐ没ったんですが。
でも4月中にあげたかったなぁ残念(´・ω・`)

えーと、アニメ設定、新婚+って感じです。
タイトル通り、なんてことない話です。

GWは皆さん楽しんでいらっしゃるんでしょうか?
私はいつも通りの生活を楽しんでいます。←要約:なんも予定がないぜ!
近場で温泉くらいは行きたいかもなー。
行けるかなー。
無精(誤変換で武将と出て吹いたw)なんで、自分で自分がアテにならない件。
武将だったらびっくりだよ…。

ではでは、本文は追記からどうぞー。




 『春の閑(しづか)』



 桜の花は、朝から降っていた。そこに雨粒が加わったのは、午後になってから。
 傘を持って行こうと、思った小鳩の行動は悪くなかった。ちょっとだけ事務所に行ってくると、手ぶらに普段着で出掛けた夫を迎えに行くのに。
「……で、なんで一本なんだ」
「うう~~すいません……」
 呆れたため息が耳に痛い。えんじの傘を太鼓にして、雨は楽しげな音を鳴らしていた。裏腹に、小鳩はしゅんとうなだれてしまう。
 ふと、傘が斜めに揺れた。
「おまえこっち」
 清和が小鳩の手を引いて、くるりと、二人の位置が逆になった。
「え?」
 小鳩が驚く間もなく、さあっと、自転車が通り過ぎる。歩道の小さな水たまりが、ぱしゃんと跳ねた。ちょうどさっきまで、小鳩がいた側だ。清和の足元が濡れた。
「ああっ!」
 目撃して、小鳩は声を上げる。
「たいしたことない」
 立ち止まりもせず、清和はさらっと呟いた。その横顔を覗いて、小鳩は眉を思い切りハの字にしてしまう。ごめんなさいも、ありがとうございますも。どちらも言わなくちゃと思いつつ、咄嗟に何も出てこなかった。
「おまえ、濡れなかったか?」
 そう訊かれて、ふるふると首を振るだけで精一杯だ。
 そっとこちらを見た清和は、そうか、と微かに声を緩めた。こんな瞬間を見つけてしまうと、小鳩はいつも胸があつくなってしまう。眦あたりに向かってその熱が、つんと、涙のように昇ってくるのだ。
「でもでも、清和さんが濡れちゃいました」
 濡れないようにと傘を持ってきたのに、結局。自分のせいで。
 うなだれたまま無意識に、小鳩は清和の袖をつかんだ。
「傘だって清和さんの分、忘れてきちゃって……」
 口に出してみるとますます、うっかりの実感がこもって落ち込んでしまう。小鳩の傘はやっぱり少し小さくて、二人で入るにはどうしても狭い。そういう意味でも、やっぱり濡れさせてしまっている。
 と、傘を持たない清和の手が、小鳩の手に重なった。
「一本だろうが二本だろうが、誰かさんが持ってきてくれなかったら、もっと濡れてた」
 ひやりと濡れた感触が、柔らかな声に溶かされる。
「助かった」
 ぽつりと、雨に紛れた科白が小鳩の顔を上げさせた。前方を向いたままの清和の横顔は、頭上からの薄い影に覆われている。差した傘と、よく似た色を重ねていた。
 小さく目をしばたたいた後、小鳩は微笑んでしまった。胸の芯に、また熱が点った。
「……こばとも、ありがとうございます」
 今度はすぐに言えて、寄り添った。



 桜でも見て帰るか――と、珍しく言い出したのは清和の方だった。雨足が弱まったり戻ったりの天気に、傘は要るような要らないような、そんな頃合いだった。けれど清和が閉じなかったので、変わらぬ位置で小鳩は頷いた。
「わあ、清和さん見てください」
「あっ、おい」
「ほらっ、こばとでも届きます!」
 見つけたものに、思わず小鳩は傘から抜けて、小走りになった。桜の枝が、幹の低い位置から飛び出している。しっかりとした枝ではなく、細く短い枝だ。花がささやかに、まだ咲いていた。触れないように、小鳩は手を伸ばした。
「こばと小さいですから、いつも桜は遠くて。こんな近くなのは初めてです」
「ああ。そういうもんか?」
 木の下のせいか、思ったほど濡れはしなかった。追いついた清和が、それでも傘を差し出す。葉から零れる雨粒が、ぱたぱたっと鳴った。桜の花びらにも落ちて、小鳩の目の前で弾けた。
「そうですよ。清和さんはこばとよりずっと背が高いですから、普通に届いちゃいそうで羨ましいです」
「いや、そんなこともねぇだろうが……まあ、おまえよりは届くかもな」
「ほらやっぱり! ずるいです~」
「と言われても……」
「でもでもっ! こばとだってこれには届きますっ」
 しっとりと濡れた花びらが本当に近くて、小鳩は声を弾ませた。今なら枝についた花の数も、花の中のおしべの数だって数えられそうだ。上から桜は散り落ちてくるが、まだこうして、咲いたばかりの花もあるのだと感動してしまう。

kobato205_02.jpg 


「雨でも、いっしょうけんめい咲いてるんですね――って、清和さん?」
 気がつくと、清和がじいっとこちらを見下ろしていた。小鳩が呼びかけると我に返ったらしく、微かに身じろいだ。
「えっ? あ、いや。ええと、」
「はい?」
 口ごもる姿が不思議で、小鳩は首を傾げてしまう。声をかけるまで、なんだかちょっと――微笑んでいたような。夫の小さな百面相を見つめたまま、時を待った。
 雨音より小さく、清和が呟く。
「……俺からだと、おまえのがよく見えるな、と」
「えっ? ああっ!? こ、こばとの頭、邪魔でしたか!?」
 ようやく口を割った夫に、小鳩は大きな声を上げた。ひょっとして、自分のせいでちっとも桜なんて見えなかったのだろうか。それなら申し訳ないことをしたと、わたわたと周囲を見回した。が、同じ傘の下では位置替えするほどのスペースなんてあるわけもない。
 ……あ、でも……?
 桜が見えていなかったのなら。……それならどうして、あんなふうに微笑んでいたのだろう?
 思って動きを止めた途端、無造作に前髪をかき上げて、清和がため息をついた。
「~~~~違う、そうじゃなくて」
「え? え?」
「ああもういい、気にするな忘れろ」
 目を反らした清和とともに、影が揺れた。傘も揺れて、止みかかった雨に桜が舞う。
「あ」
「……っと、」
 濡れそうになった小鳩に気づいて、清和はすぐにこちらを向きなおした。正面からぶつかった視線が気まずそうな理由が、小鳩にはまだ分かりそうで分からない。
「……帰る、か?」
「あ、えと。……はい」
 ただ急に、傾けられた傘いっぱいに清和を感じて、どきどきした。


      ◆      ◆


 おとうさん、と可愛い声に呼ばれて清和は驚いた。帰ろうとして雨に気づき、事務所前で足を止めたところだった。
「春花!? ひとりで来たのか?」
 ふるふると、愛娘が首を振る。
「あのね、おかあしゃんと」
 言われて、ほっと胸を撫で下ろす。いくらここと自宅が近くても、子どもひとりで歩いていい道のりではない。が、一緒に来たという妻が見当たらず、清和は首を傾げた。
「あめだからむかえにいこうって、はるかきたの」
 カエルの雨がっぱを着た娘が、たどたどしく主張する。同じカエル色をした長ぐつをはいて、水玉模様のビニール傘を地面で引きずる姿がなんともいとおしい。
「そうか。ありがとう」
 清和がしゃがんで頭を撫でると、それはもう嬉しそうに笑うからまたたまらない。清和の方も、自然と笑顔を零してしまう。
「はるかちゃーん! きよかずさーん!」
 と、捜していた声も聴こえてきて、清和は顔を上げた。
「こばと」
「おかあしゃん!」
 妻が雨の中から、小走りに近寄ってくる。少しばかり……でなくドジな彼女だ。何かトラブルでもあったのかと思ったが、そういうわけではなかったらしい。もう一度、清和はほっと胸を撫で下ろした。
「春花ちゃんたら、走っちゃだめって言ったでしょう?」
 追いつくなりの科白に、大方の予想もついた。もうしっかり走り回る娘は、のんびりな小鳩では時々追いつけない。むしろ清和でも、追いかけるのが大変な時がある。
 気まずそうにして、春花は清和の後ろに隠れた。眉をしかめた顔が清和さんによく似ているんです――とは、小鳩がいつも嬉しそうに報告してくることだ。そんなとこは自分に似なくていいと思うのだが。
「――春花?」
 静かに名前を呼ぶと、口を猫のようにして、ごめんなしゃい、と言った。その顔の方は小鳩にそっくりだ、と清和は思う。苦笑してから立ち上がり、小さな頭をまた撫ぜた。
「ああっ!?」
「うわっ!? な、なんだ?」
「き、清和さんの傘、忘れてきちゃいました……」
 またか! との突っ込みは今更しなかった。ただ、ため息くらいは零れる。毎回とは言わないし、わざとでもないのだろうが、割とよくやらかしてくれるパターンだ。まったくこの妻は、ほんとうに。
「……まあ別に、一本でもなんとかなるだろ。おまえは春花と、ちゃんと手ぇつなげよ」
 それに一緒の傘に入るのは嫌いじゃない、とまではさすがに言わない。それ以前に、そもそも小鳩が迎えに来てくれるなら、清和にとって傘の数など大した問題でもないのだ。あんまり大雨だとそんな軽口も叩いてはいられないのだが、今日のような穏やかな雨ならばどうと言うこともない。
 ひょいと、清和は小鳩の差した傘を受け取った。そう言えば、公園辺りでは桜が満開だった気がする。
「花見でもしながら帰るか?」
「おはな!?」
「はい!」
 二重に響いた声の明るさが、すぐにでも雨雲を払いそうだと思った。






fin.


<後書き>
桜はちゃんと見えてますよねー兄さん。目に入らないだけで(棒読み)
口を猫のようにして~は、ちなみにこんなカオでふ。→(´・ω・`)

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殿。

いやさ、お館様(武将だとおっしゃるので)。
かわいらしいお話(眼鏡のひとを含めても良い←何故上から)を、ありがとうございます!
にこにこ(途中にやにや)なりますね(にこにこ)。
しかし、一つツッコミ。
旦那は、自分がカエルさんを抱き上げて奥さまの持ってきた傘を差す+奥さまは娘さんの傘を差す、という割と見かける光景は、思いつかれないのですかね?
…あ、そうか。
あえて選択しないんですねそうですねそうですよね!
解りました。突然出てきて、失礼しました。自己完結しましたのでレス不要です、お騒がせいたしました。
では、お邪魔でした 五月

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Re: No title

▽ツンデレラさま
コメ有難う御座いますv
雨と桜ってけっこう好きな組み合わせなんですよ~。
雨のおかげで人がたくさんいなくて、桜をゆっくり見れるところが(笑)
小雨限定ですけどね!
きっと兄さんも雨のおかげで周囲を気にせず済むに違いないwww

ほんと、ちょっとGWにしては寒くてなかなかお出かけする気にならないと言う(´・ω・`)
ちょこちょこ出かけはしたんですが、まー結局いつも通り過ごしてますw
早く落ち着いて過ごせる気候になるといいですねー。
ツンさんもGW、楽しくお過ごしください!
それでは。

Re: 殿。

▽五月生さま
ええまあ、そちらで!(笑)

Re: No title

▽murasameさま
わ~お久しぶりです!
こちらこそ相変わらずの素敵なコメント、有難う御座います!
光栄です~つД`)・゚・。・゚゚・*:.。

>(´・ω・`)
鼻…!
ほんとですね、そう言われればそんなふうに見えます!
え、あれ?ほんとはどっちなんでしょう…?
私は口だと思っていましたが、まさか実は鼻…というのが真相かもしれなかったり!?
検索したら判明しますかね~?
見つかりそうな見つからなさそうな…ああ、でも気になる!

最近はのんびりテンポですが、見捨てずお付き合いくださってほんとに嬉しいです♪
マイペースに励みます!(`・ω・´)キリッ ←
それでは。

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