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⊿delta

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『届かない、届いている。』

『こばと。』二次小説up。

原作5巻(34-35話)の幕間+αです。
やっと出来た!(小躍り)
原作設定は初めてなので、チェック漏れしてないといいなー。

そう言えば公式サイトが年内でサービス停止だそうで、残念な限りです。
きっとスマホ対応がうまくいかなかったのかなと。
問題は、これから先リニューアルするのかしないのかってことでしょうかね。
とりあえずでるたは、サービス終了までアバターさんにさせたいお着替えをしっかり楽しむことにしました。
長く楽しませていただいてきたので、最後まで楽しみますよー。
スマホに機種変しない限りは(笑)
ところで私、CLAMPぴあとフェスパンフの表紙を公式で見たのですが、「描かれているキャラクターは現在連載中と、今後動きがある作品で」というお言葉に浮き足立っております。
あの、こばとさんがいらっしゃるんですが…!
今後動き!?動きあるの!!!!?(そわそわ)


では、本文は追記からどうぞー。





 目の裏から離れない。耳の奥にも残っている。
 それなら一体、どうしたら良かったのか。どうしたかったのか。こびりつくのは自問だけで、自答はちっとも得られなかった。



 『届かない、届いている。』



 鞄を放り、藤本は壁に背をもたれさせた。月の明るさに窓が光っている。と、帰宅した自分が、部屋の灯りも点けていないことに気がついた。どうせ寝るだけだと、畳にへたり込んだ脚を立たせることはしなかった。
 天井を仰いだ拍子に、こつんと、後ろ頭が壁にぶつかる。あいつと自分を、かろうじて隔てているモノ。
 ……なにやってんだ、俺は。
 藤本は首を振った。隣人の気配を、どうしてだか無意識に探していた。これではまるで、聞き耳を立てているようだ。変にバツが悪い気持ちになって、混乱めいた頭の温度が上がる。第一そんなことをしなくても、残っているのに。
 大丈夫です、なんて。
 そんな科白は、あんな声で紡がれるものではない。
 泣いてたのか……まだ。
 では今は。今、この時は――……?
 噛み締めた奥歯の痛みに、奥歯を噛み締めていた自分に、驚く。壁の向こうを思ってしまっている。胸にわだかまっている。
 朝、あいつがいなかった。やっと現れたと思ったら、いつもと違う妙なカオをして。歌いたいと訴えた。子どもたちがせがむからしょうがなく、自分もオルガンを弾いた。そうしたらあいつは――泣いたのだ。それが離れない。ついさっき、扉を開けられないと言った、掠れきった声も。
 …………ケーキ。
 食べただろうか。手渡せなかったから、ドアノブにかけてはきたが。ああそれより、ちゃんと気づいたのだろうか。当然、手にするとこまでは確認していない。それが出来たら手渡している。手渡せなかったからドアノブにかけたのだ。しかし下手をすると、気づかずに放置されているなんてこともあり得るだろう。自分も特に、何も言わなかったのだし。いやでも、あの後あいつの部屋の扉が開いた音が、したような気もするのだが。だが……本当にちゃんと気づいただろうか。なにせあいつはトロくて鈍くてぼーっとしていて、だけどいつも笑っていて――と、そう思った脳裏にまた泣き顔が現れるから堪らない。何がどう堪らないのか、わけもわからない。本当に、どうしてこんなに焼きついてしまったのか。笑った顔の方がよく見知っていて、自分は。だから。
 ……だから――?
『……わたしが泣いてたら、藤本さん困りますか』
「……っ」
 蘇る問いかけも、追い打ちをかけてくるばかりだ。答えた時はちゃんと冷静だったはずが、今の自分は。
 ~~~~ああもう。なんなんだ。
 つかみ切れない心情に、藤本はまた天井を仰いだ。
 しま……っ!
 勢い余った後ろ頭が、今度はなかなか鈍い音で壁を揺らした。



 ゴツンッッッ!!!!
「ふぇっ!?」
 背後で響いた物音に、小鳩は声をひっくり返らせた。ちょうど自分が寄りかかっていた辺り……いや、それより少し上だろうか。なんだかとても痛そうな……そう思った自分の考えが正しいとも知らず、驚きに跳ね上がった胸を押さえた。
 藤本さん……、でしょうか?
 浮かべるだけで、頬が上気する。泣きすぎて腫れぼったくなった瞼に、熱が奔る。止まらなくなった拍動とともに、気づいてしまった好き、が、飛び出してしまいそうだ。
 かさりと、畳に置いたケーキの箱を、小鳩は手繰り寄せた。それからそうっと、身を預けたままの壁に、片耳を押し当てる。――この向こうに、これをくれたあのひとがいる。
 ふと、触れる夜風に気がついた。窓が開いている。それに、いおりょぎがいない。
 どちらに行かれたんでしょう……。
 あのひとが扉を叩くまで、ずっと眠っていたから分からない。でもいおりょぎが時々、こうして小鳩を置いて出かけていくことは珍しくないから、そのうち帰ってくるだろう。きっと、あの窓から。
 ――あ、
 と、不意に小鳩は瞬いた。
 さっきのでびっくりして、なみだ……、ひっこんじゃいました。
 乾いた目元で、パリパリと肌が引きつる。一体あのひとは、何をしてあんな大きな音を立てたのだろう。
 ……コケちゃったんでしょうか。
 そんなことを言ったら、おまえじゃあるまいしとでも言われそうだ。それに、何かに躓いてよろけたり、モノを落としてしまったり、そういうあのひとはあまり思いつかない。
 うっかりさんなふじもとさん……、
「…………」
 想像にくすぐられて、思わず、笑みまで零れた。あんなに泣いていたのに。そう思うと不思議で、不思議につられて、また笑ってしまった。明日にはちゃんとと、自らに呟いた約束を破らずに済みそうだ。心の底から、ほっと安堵した。
 顔を上げれば、夜空には満月が浮かんでいる。もう満ちてしまったから、これからは欠けゆく月だ。もう一度満ちるのを、自分は見られるだろうか。ああでも。
 とてもとても、きれいです…………。
 膝元で途切れた月影は、波のようにゆらめいている。心の隅々に、満ち満ちてゆく。これは今、確かにここにあるものだ。きっと、あのひとのところにも届いている。それで。同じように見上げてくれていたら。綺麗だと感じてくれていたら。――もっと嬉しい。
 緩んだ唇に、歌が灯った。



「――……お?」
「こばとだな」
 ほんの微かな歌声に、五百祇が呟いた。
「なるほど、いい声だ」
 玄琥は首をもたげ、耳を澄ませる。少し嗄れてはいるが、確か、今日はずっと泣いていたと聞いた。だからだろう。滑らかとは言えない。それでも、月に溶けそうに柔らかだ。渦中の彼女に会ったことはないが、人となりが伺える。
「だがちぃとばかり、……せつないな」
 音色そのものの話ではない。玄琥の心に浮かんだそれは、自分だけの勝手な感傷と呼ぶべきものだった。これまでや、これからの成り行きを思っての。
 歌はむしろ落ち着いて、揺れず伝わる響きは凛と静かだった。想いを巡らせるに相応しく、透明だった。
 ちらと隣を見下ろせば、五百祇は目を細め、ぷらぷらと短い脚を揺らしている。この同胞の傍らに立ち、振り回されるようになってからもう長い。付き合いの濃さに比例して、玄琥はため息を増やしてきた。やれやれと、要らぬ歴史をまた唇に刻んだ。
 自分のような無骨者が口にするのは、正直憚られる。しかし五百祇にとっても、最初はただの――恋だったのだ。おそらくは、今あの女の子がしているのと同じ。はっきりと元凶ではあるが、そんなふうに呼んでしまうのはやるせなく思える。だが膨らんだ事態は、そろそろ収拾がつかぬところまでやってきてしまった。あの女の子のそれは、これからどこに向かっていくのか。考えるだけで、玄琥には苦かった。
 遠く、開いた窓が目に入る。あれは五百祇と女の子の仮住まいだ。ふと、その隣の部屋でも、控えめに窓が開いた。
「……?」
「藤本だな」
 ぽつと、五百祇が口にする。聞き覚えのある名前。女の子が好きになったという、相手の名だ。
「隣に住んでたのか」
 よもぎ保育園については調べたが、それは調べていない。玄琥にとっては新たな事実だ。ぼんやりと見つけた人影を、思わず凝視した。
「そりゃまた……」
 巡り合わせの妙に、唸ってしまう。ここから見れば、あれほど近い場所にいるのに。引き離されるかもしれないのか、あの女の子は。――彼らは。
 歌はまだ続いている。本当にいい声だ。藤本とかいうのも、つい誘われて、ああして顔を出したのかもしれない。
 闇に絡んだ旋律が、満月よりも高く、昇ってゆくように見えた。


      ◆      ◆


 昔より短くなった後ろ髪に、小鳩がまとわりつく。
「……~~~~こら、」
「ああっ! 藤本さんひどいですー!」
 ひょいと避ければ、つやつやと可愛い頬を膨らませる。さっきからずっとこんな調子だ。何がそんなに楽しいんだと問えば、瞳を輝かせて、また背後に回り込んでくる。細い指が触れてくるのは、首筋近くだ。困る。しかし楽しげな彼女を、邪険にも扱えない。今の藤本はつくづく、今の小鳩に甘かった。
「……だから、なにがしたいんだおまえは」
「だってだって! 今日はお月見ですよ?」
「はあ?」
 確かに、今日は月見だ。月見をする約束で、一緒にいる。だが髪と月見に接点など見つからない。
「ほら!」
 にこにこと笑う小鳩は、指先で藤本の髪を嬉しそうにつついた。
「藤本さんの髪、うさぎさんのしっぽみたいですー」
 うさぎ。
「……………月とうさぎ、か?」
「はい!」
 合点したところで、脱力もする。がっくりとうなだれた肩に、小鳩が首を載せた。その体勢は勘弁してくれと、藤本はため息をつく。無邪気にじゃれつかれて、嬉しくないわけはないのだが。
「月のうさぎさんには届きませんけど、藤本うさぎさんはこんなに近いです」
 きゅ、と込められた科白に、また困る。苦し紛れに無理矢理、藤本は首を後ろに反らした。
「――てかうさぎなら、俺よりおまえだろう」
「ふえ? こばとですか?」
「これ」
「あ、」
 三つ編みの片方を引き出されて、小鳩は少し赤面する。どうやら触られて、そういう反応をするのは自分と変わらないらしい。だったら俺の状況にも気づいてくれと、藤本は心中でひとりごちた。
「長い耳してぴょんぴょん跳ねて。まんまだろ」
 かち合った視線を、反らさずに続ける。今日の月のように丸い瞳が、このまま零れてきそうだと思った。吐息を漏らす唇も、驚くほど近い。
 首から回った彼女の手に、残った手を重ねた。年齢差、自分の職業。立場上の自制心は、こうした現状にいつも脆い。だからこんな形で、藤本は少しずつ熱を逃がす。触れたまま、離さずに済むように。
「とんでかないように、捕まえとかないとな」
 告げた自分がこそばゆい。
 ――よそでやってくれ、
 頷いた小鳩の傍らで、青いぬいぐるみが砂を吐いた。






fin.


<後書き>
幕間だけで終わるつもりが、たまたま十五夜が近づいてきたのでこんな結びに。
まあいつでも仲良く月見してれば良いよ。

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Re: 素敵な十五夜に!

▽ツンデレラさま
返信が遅くなりました~ごめんなさいっ(>_<)
感想有難う御座います!
もうほんと、なんでわかんないんでしょうねぇ。
鈍いにも程がありますよねぇ。

>もっと、ゴンゴン頭打て!!!←違(笑)
激しく同意、略してはげどう!です!!!(笑)
いやー小鳩さんがあのまま朝まで泣いてたら嫌だなってか、悲しいなーと思って。
そんなおかげで兄さんには頭を打っていただきましたw
お隣さんっていいですよねぇ。
部屋の大体が鏡対象に出来てるとこがいいですよねぇ(´∀`)ニヤニヤ
私はこう、断面図で見て楽しみたいですうふふふふ。

そうそう、原作の兄さんはあ・ま――――――い!ですよねぇw
でもアニメと違って年齢差半端ないので、理性もきっと鋼のように育って!!!…無理かwwww←
沖浦夫妻にはとっくでしょうが、堂元さん辺りにもバレてて、いい笑顔で「清和やるな~。法律には気をつけろよ?」とか言われてたらいいと思います(^^)
それでは。

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